
20代で「やりたいことがない」ときの仕事の選び方
「やりたいことは何ですか」と聞かれて、答えに詰まったことはありませんか。
面接でも、友達との会話でも、この質問はよく出てきます。答えられないと、自分だけが何も考えていないように感じてしまうかもしれません。
でも、やりたいことがはっきりしないまま働き始める人は、決して少なくありません。この記事では、やりたいことがないときに、何を手がかりに仕事を選べばいいのかを整理します。
- やりたいことがないのは、おかしいこと?
- 「やりたくないこと」から決めてもいい?
- 「苦にならないこと」を探す
- 状況別:こんなふうに考えてみる
- 働き方の条件で選ぶのは、だめなこと?
- 面接で「やりたいこと」を聞かれたら
- 一人で決めきれないとき
- よくある質問
やりたいことがないのは、おかしいこと?
おかしいことではありません。やりたいことは、働く前から見つかっているものではなく、働きながら形になっていくことが多いものです。
学生のうちに知ることができる仕事は、ごく一部です。実際に働いてみて、「この作業は思ったより楽しい」「これは向いていないかもしれない」と分かっていくのが、むしろ自然な流れだと思います。
私は新卒で入った会社を2ヶ月で辞めました。配属は希望と違う店舗営業で、毎日終電でした。そのあと営業事務を経て、おもちゃメーカーで商品企画の仕事に就き、約7年続けました。最初から商品企画をやりたいと決めていたわけではなく、働く場所を変えながらたどり着いたという感覚のほうが近いです。
振り返ると、「やりたいこと」より「続けられること」のほうが、あとから効いてきた気がします。
「やりたくないこと」から決めてもいい?
いいと思います。やりたいことが浮かばないときは、やりたくないことを書き出すほうが早いことがあります。
やりたくないことは、たいてい具体的です。「ノルマに追われるのはつらい」「毎日違う場所に行くのは疲れる」「夜遅くまで働くのは続かない」。こうした言葉は、そのまま仕事を選ぶ条件になります。
書き出すときのコツは、「なぜ嫌なのか」まで一言そえることです。
- 「営業が嫌」→ なぜ? →「数字で毎月比べられるのがつらい」
- 「接客が嫌」→ なぜ? →「立ちっぱなしで体がもたない」
- 「事務は退屈そう」→ なぜ? →「一日中同じ作業だと飽きそう」
「営業が嫌」だけだと選択肢が狭まるだけですが、理由まで書くと、営業でも数字の比べ方がゆるい会社がある、事務でも作業の種類が多い職場があるというように、見え方が変わってきます。
「苦にならないこと」を探す
やりたいことの代わりに、もう一つ手がかりになるのが「苦にならないこと」です。
周りは面倒がるのに、自分はそれほど嫌ではないこと。人から頼まれることが多いこと。気づいたら時間が過ぎていたこと。こうしたものは、本人は当たり前だと思っているので、強みだと気づきにくいのが特徴です。
次の質問に、思いつくまま答えてみてください。
- アルバイトや学校、前の職場で、よく頼まれたことは何でしたか
- 人がやりたがらないのに、自分は引き受けても平気だったことは何でしたか
- 「細かいね」「よく気づくね」など、言われたことのある言葉はありますか
答えが出てきたら、それがどんな仕事の中で使われているかを考えます。たとえば「細かい確認が苦にならない」なら、データを扱う事務や、品質を確かめる仕事が候補に入ってきます。
強みの見つけ方については、事務職はキャリアになる。「スキルがない」と思っていた私が気づいたことにも書いています。
状況別:こんなふうに考えてみる
同じ「やりたいことがない」でも、今いる場所によって、考える順番は変わります。よくある状況を4つ挙げます。
例1:新卒で入った会社を早めに辞めた人
まず「前の会社の何が合わなかったのか」を具体的にします。仕事内容なのか、働く時間なのか、人間関係なのか。そこが分かれば、次に避けたい条件がはっきりします。やりたいことは、その先で考えても遅くありません。
例2:卒業後、就職せずにアルバイトを続けている人
アルバイトで任されていたことを書き出してみてください。レジ締め、シフト作成、新人への説明など、正社員の仕事につながる経験は意外と多いものです。「好きかどうか」より「任されていたこと」から考えると、方向が見えやすくなります。
例3:今の仕事を続けているが、このままでいいのか迷っている人
今の仕事のなかで「この作業だけは嫌じゃない」という部分を探します。その作業が中心になる仕事に移る、という考え方ができます。全部を変える必要はありません。
例4:興味のあることはあるけれど、仕事にできる気がしない人
その分野に、どんな職種があるかを調べてみてください。たとえば好きな商品があるなら、その商品を扱う会社の事務や営業という関わり方もあります。「作る側」だけが関わり方ではありません。
整理しやすいように、考え方の流れを表にしました。
| 考えること | 書き出す例 | 仕事選びへのつなげ方 |
|---|---|---|
| やりたくないこと | 数字で毎月比べられるのがつらい | 個人ノルマのない職種・会社を探す |
| 苦にならないこと | 細かい確認や入力作業 | データ入力や書類の確認がある仕事を候補に入れる |
| よく頼まれたこと | 予定の調整、連絡のとりまとめ | 人と人の間に入る事務・アシスタント職を見てみる |
| 譲れない条件 | 夜は早く帰りたい | 求人票の残業時間や勤務時間を先に確認する |
| 少しでも興味があること | 雑貨、食品、旅行など | その分野の会社で、自分に合う職種を探す |
働き方の条件で選ぶのは、だめなこと?
だめなことではありません。「家から近い」「土日が休み」「残業が少ない」といった条件で選ぶのは、長く働くためにとても大切なことです。
私は以前、通勤が往復3時間になる職場で働いていたことがあり、体調を崩して退職しました。仕事の中身がどれだけ合っていても、働く環境が体に合わなければ続けられないということを、そのとき実感しました。
条件で選んだあとに、働きながら「この仕事の中で、自分が好きな部分はどこか」を探していく。そういう順番でも、まったく問題ないと思います。
求人票で条件を確かめるときのポイントは、求人票の見方。応募する前に確認している5つのことにまとめています。
条件で選ぶのは、自分を大切にする選び方でもあると思います。
面接で「やりたいこと」を聞かれたら
面接で「将来やりたいことは何ですか」と聞かれることがあります。このとき、大きな夢を語る必要はありません。
面接官が確かめたいのは、「この人はうちの仕事に前向きに取り組んでくれるか」です。ですから、応募した仕事のなかで、まず身につけたいことを答えれば十分です。
答え方の例
「まだはっきりした目標があるわけではありませんが、まずは任せていただいた業務を正確にこなせるようになりたいと思っています。前のアルバイトで、確認作業を丁寧にすることが自分に合っていると感じたので、その部分を仕事の中で伸ばしていきたいです。」
正直に「まだ見つかっていない」と言ったうえで、今できること、伸ばしたいことを添えると、誠実な印象になります。
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対象は18歳から29歳の方で、第二新卒の方、既卒の方、フリーターの方が相談できます。自分に合う方向がまだ分からない段階でも、話しながら整理していく相談先の一つとして考えられます。
一人で決めきれないとき
やりたくないこと、苦にならないことを書き出しても、なかなか一つに絞れないことはあります。それは、考えが足りないからではなく、材料が自分の頭の中だけだからかもしれません。
人に話してみると、「それって向いているんじゃない?」と、自分では気づかなかった見方をもらえることがあります。家族や友達でもいいですし、仕事選びの相談を受けている人に聞いてみるのも一つの方法です。
キャリアの考え方については、キャリアプランは、一人で考えないほうがいいでも書いています。
まずは今日、「やりたくないこと」を3つだけ書き出してみてください。そこから少しずつ、選ぶための手がかりが見えてくると思います。
よくある質問
やりたいことがないまま就職しても大丈夫ですか?
大丈夫です。やりたいことは、働きながら見つかっていくことが多いものです。まずは「続けられそうか」を基準に選ぶ考え方もあります。
やりたいことがないのは、甘えですか?
甘えではありません。知っている仕事の数が限られているうちは、やりたいことが浮かばないのは自然なことです。
適職診断はあてになりますか?
考えるきっかけとしては使えます。ただ、結果をそのまま答えにするより、「なぜこの結果になったのか」を自分の経験と照らし合わせるほうが役に立ちます。
20代のうちに何度か転職しても大丈夫ですか?
回数そのものより、それぞれの理由を説明できるかどうかが見られます。短い期間で辞めたときの伝え方は、短期離職の記事にまとめています。
条件だけで仕事を選ぶと、後悔しますか?
条件は長く働くための土台なので、それだけで後悔につながるとは限りません。働き始めてから、仕事の中で好きな部分を探していく順番でもかまいません。
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