
事務職の転職に資格は必要?MOS・簿記を取る前に考えること
事務職に応募しようと思ったとき、「何か資格を持っていないと相手にされないのでは」と不安になる人は多いと思います。
私も長いあいだ、「自分にはスキルがない」と思い込んでいました。形に残るものが何もないように感じて、資格で埋め合わせたくなる気持ちはよく分かります。
ただ、事務職の転職では、資格があるかどうかより、求人が求めていることに答えられるかどうかのほうが大事にされる場面が多いです。この記事では、資格が役に立つ場面と、取る前に確かめておきたいことを整理します。
- 事務職の転職に資格は必須?
- MOSは取ったほうがいい?
- 簿記は事務職に役立つ?
- 取る前に確かめたい3つのこと
- 状況別:資格を取るか、先に応募するか
- 資格の代わりに書類で伝えられること
- よくある質問
事務職の転職に資格は必須?
結論から言うと、一般事務の求人の多くは、資格を応募の条件にしていません。求人票の「応募資格」の欄を見ると、「基本的なパソコン操作ができる方」「WordとExcelの入力ができる方」のような書き方がほとんどです。
採用する側が知りたいのは、「この資格を持っているか」よりも、「入ってすぐに、どこまで任せられるか」です。資格はその判断材料の一つにはなりますが、それだけで決まるわけではありません。
一方で、資格がはっきり役に立つ求人もあります。経理事務や、数字を扱う割合が大きい事務がそうです。ですから「資格は要らない」と言い切るより、応募したい求人によって変わると考えるほうが近いと思います。
MOSは取ったほうがいい?
MOSは、WordやExcelなどの操作ができることを示す資格です。事務職を目指す人がまず思い浮かべる資格だと思います。
役に立ちやすいのは、次のような場面です。
- 事務の経験がなく、パソコンを使える根拠を示したいとき
- これまでの仕事でExcelをほとんど使っていなかったとき
- 求人票に「MOS歓迎」「Excel中級以上」など、具体的に書かれているとき
反対に、すでに事務の仕事でWordやExcelを毎日使っていた人は、資格がなくても「何の作業に、どう使っていたか」を書くほうが伝わります。「関数を使って月次の集計表を作っていました」と書ければ、それで十分に判断してもらえることが多いです。
⚠️ 気をつけたいのは、資格の勉強が、応募を先延ばしにする理由になってしまうことです。「資格を取ってから応募しよう」と思っているうちに、何ヶ月も過ぎてしまう人は少なくありません。
「資格がないから」は、動かない理由として使いやすい言葉なんですよね。私にも覚えがあります。
簿記は事務職に役立つ?
簿記は、お金の出入りを記録するルールを学ぶ資格です。経理事務を目指すなら、役に立つ場面は多いと言われています。仕訳や勘定科目の考え方が分かっていると、入社してからの覚えることが減るからです。
一般事務でも、請求書の発行や経費の精算など、数字に触れる仕事はあります。簿記の知識があると、「この数字がどこから来て、どこへ行くのか」がつかみやすくなります。
ただ、経理を目指していない人が、事務職に応募するためだけに簿記を取る必要があるかというと、そうとは限りません。数字を扱う仕事が好きかどうかを、勉強を始める前に一度考えてみてください。好きなら、簿記は長く使える知識になります。苦手なら、別の方向で強みを伸ばすほうが合っているかもしれません。
取る前に確かめたい3つのこと
資格の勉強を始める前に、次の3つを確かめておくと、遠回りをしにくくなります。
- 応募したい求人の「応募資格」と「歓迎」の欄に、その資格が書かれているか
10件ほど求人票を並べて、資格名が何回出てくるかを数えてみてください。ほとんど出てこないなら、急いで取る必要はありません。 - すでに持っている経験で、同じことを説明できないか
前の仕事でExcelを使っていたなら、それを具体的に書くほうが先です。 - 勉強している間も、応募は並行できるか
「取ってから」ではなく「勉強中」と書類に書くこともできます。
求人票の読み方については、求人票の見方。応募する前に確認している5つのことにまとめています。
状況別:資格を取るか、先に応募するか
迷ったときの目安を表にしました。あくまで目安なので、応募したい求人の内容を優先してください。
| いまの状況 | 考え方の目安 |
|---|---|
| 事務の経験があり、Excelも日常的に使っていた | 資格より、職務経歴書に作業の中身を書くほうが先。応募を進めながら考える |
| 販売・接客などから、未経験で事務を目指す | MOSは「パソコンが使える根拠」になりやすい。ただし勉強中でも応募は並行できる |
| 経理事務を目指している | 簿記は役に立つ場面が多い。求人票で求められている級を確認してから始める |
| 営業事務を目指している | 資格より、受発注や電話対応などの経験が見られやすい。前職での調整の経験を言葉にする |
| ブランクがあり、パソコンから離れていた | 勘を取り戻す目的で学ぶのは有効。資格にこだわらず、手を動かす練習から始めてもいい |
営業事務と一般事務の違いは、一般事務と営業事務の違いで詳しく書いています。
資格の代わりに書類で伝えられること
資格がなくても、職務経歴書で伝えられることはたくさんあります。大切なのは「何ができるか」を、相手が想像できる言葉で書くことです。
状況ごとに、書き方の例を挙げます。
例1:事務経験があり、Excelを使っていた人
「毎月の売上データをExcelで集計し、関数を使って部署ごとの一覧表を作成していました。集計の手順を表にまとめ、ほかの人が引き継げるようにしていました。」
例2:販売・接客から事務を目指す人
「店舗で、在庫の数をパソコンで管理し、発注の数量を入力していました。シフト表の作成も担当していたので、人の予定を組み合わせて調整する作業には慣れています。」
例3:資格の勉強中の人
「現在、Excelの操作を体系的に身につけるため、MOSの学習を進めています。前職ではデータの入力と簡単な集計を担当していました。」
例4:ブランクがある人
「以前は事務職として、書類の作成とデータ入力を担当していました。離れていた期間があるため、現在はWordとExcelの操作を見直しながら、応募の準備を進めています。」
私も職務経歴書を書こうとしたとき、「書くことがない」と手が止まりました。でも実際には、やってきたことが言葉になっていなかっただけでした。資格の欄が空いていても、仕事の中身を書けば、読む側にはちゃんと伝わります。
棚卸しのやり方は、事務職の職務経歴書。「書くことがない」と思ったときの棚卸しのしかたで詳しく書いています。
資格は「あると話が早くなるもの」くらいに考えておくと、気持ちが少し楽になると思います。
資格を取るかどうか迷ったら、まず応募したい求人を何件か見てみることです。一人で見ていても判断がつかないときは、事務の求人を多く見ている人に聞いてみるのも一つの方法です。
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よくある質問
資格なしで事務職に応募しても大丈夫ですか?
大丈夫です。一般事務の求人の多くは、資格を応募の条件にしていません。求人票の「応募資格」の欄を確認して、書かれていなければそのまま応募して問題ありません。
MOSと簿記、どちらを先に取るべきですか?
目指す仕事によります。一般事務や営業事務ならパソコン操作を示せるMOS、経理事務なら簿記が役に立つ場面が多いです。応募したい求人に書かれているほうを優先してください。
勉強中の資格は履歴書に書いてもいいですか?
「取得に向けて学習中」と書くことはできます。取得したと誤解されない書き方にしておけば、学ぶ姿勢として伝わります。
Excelはどのくらいできれば事務職で困りませんか?
会社によって違いますが、一般には、表の作成、合計や平均などの基本的な関数、並べ替えや絞り込みができれば、多くの事務の求人に対応できると言われています。
30代でも資格があれば未経験で事務職に入れますか?
資格だけで決まることは少なく、これまでの仕事で身につけたことをどう事務に活かすかが見られます。資格は、その説明を補うものと考えておくと進めやすいです。
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