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明るい席に置かれたノートとコーヒー

事務職の志望動機。「なんとなく安定」から抜け出す書き方と例文

2026年9月17日

事務職に応募しようとして志望動機の欄を前にすると、手が止まってしまうことがあります。正直に言えば「安定していそうだから」「落ち着いて働けそうだから」なのに、それをそのまま書いていいのか分からない。かといって、立派な理由をひねり出そうとすると、どこかで見たような文章になってしまう。そんなふうに悩んでいる方は多いと思います。

この記事では、「安定」という本音を消さずに、相手に伝わる志望動機へ組み立て直す方法を書きます。後半には、経験別の例文も載せています。

この記事の内容
  1. 「安定していそうだから」が伝わりにくい理由
  2. 志望動機は3つの材料でできている
  3. 材料1:なぜ事務職なのか
  4. 材料2:なぜこの会社なのか
  5. 材料3:入ってから何ができるか
  6. 経験別の例文
  7. 書き終えたら見直したいこと

「安定していそうだから」が伝わりにくい理由

先にお伝えしておきたいのは、安定した働き方を望むこと自体は、まったく悪いことではないということです。長く落ち着いて働きたいという気持ちは、採用する側にとっても本来うれしいものです。

それでも「安定していそうだから」だけでは伝わりにくいのには、理由があります。

  • どの会社にも同じことが言えてしまう … 応募先ならではの理由になっていません
  • 「受け取りたいもの」だけが書かれている … 会社に何を返せるのかが見えません
  • 事務の仕事は楽そう、と受け取られることがある … 書いた本人にそのつもりがなくても、読む側がそう解釈してしまう場合があります

つまり、問題は「安定」という言葉ではなく、その中身がほどかれていないことです。「安定」と一言でまとめている気持ちの中には、たいてい、もっと具体的な望みが入っています。

たとえば、「決まった時間に帰って生活のリズムを整えたい」「一つの職場で腰を据えて経験を積みたい」「急な変化に振り回されるより、準備して正確に進める仕事がしたい」。こうして言葉にしてみると、それぞれが事務の仕事の特徴や、応募先の働き方とつながっていきます。

「安定」は本音のままで大丈夫です。そのまま書くのではなく、中身をほどいてから使うのがコツです。

志望動機は3つの材料でできている

志望動機を一から文章で書こうとすると、なかなか進みません。先に材料をそろえて、あとからつなげるほうが楽になります。

事務職の志望動機は、次の3つの材料で組み立てると形になりやすいです。

  1. なぜ事務職なのか … 職種を選んだ理由
  2. なぜこの会社なのか … 応募先を選んだ理由
  3. 入ってから何ができるか … これまでの経験や、自分の持っている力をどう活かすか

3つとも立派である必要はありません。それぞれ一言ずつでも、つながりがあれば十分に伝わる志望動機になります。反対に、どれか1つが抜けていると、「なぜうちなのか」「何をしてくれるのか」が読む側に残ってしまいます。

ここからは、材料を1つずつ集めていきます。ノートやメモアプリを開いて、思いついたことを箇条書きで書き出しながら読んでみてください。

材料1:なぜ事務職なのか

最初に、事務職を選んだ理由を書き出します。ここで「安定」をほどく作業をします。

次の問いに、思いつくまま答えてみてください。

  • いまの仕事(または前の仕事)で、しんどかったのはどんなところか
  • 反対に、やっていて苦にならなかった作業、気づいたら集中していた作業は何か
  • どんな一日の過ごし方なら、長く続けられそうか

しんどかったことの裏返しと、苦にならなかったことを並べると、事務職を選ぶ理由が見えてきます。

たとえば「売上の目標に追われるのがつらかった」という方でも、そこをそのまま書く必要はありません。「お客さまの注文を正確に手配するところは苦にならなかった」「数字の確認を何度しても嫌にならなかった」という部分を拾って、「人の仕事を支える側で、正確さを活かして働きたい」という言葉に置き換えることができます。

前の職場への不満を理由の中心にすると、読む側は「うちでも同じ不満を持つのでは」と感じやすくなります。離れたい理由ではなく、向かいたい理由を主語にすると、同じ本音でも印象が変わります。

材料2:なぜこの会社なのか

次に、応募先を選んだ理由です。ここがいちばん「どこにでも言える文章」になりやすいところです。

手がかりは、求人票と、会社が自分で出している情報の中にあります。

  • 仕事内容の欄 … どんな作業を任されるのか。自分がやりたい作業、経験のある作業は入っているか
  • 扱っている商品やサービス … 自分が知っているもの、興味を持てるものか
  • 働き方の書き方 … 研修の有無、配属先の様子、長く働いている人についての記載など
  • 会社が大切にしていると書いていること … 会社のホームページの事業紹介や採用ページの言葉

このうち、材料1で書き出した「向かいたい理由」と重なるものを1つか2つ選びます。たとえば「長く腰を据えて働きたい」が材料1にあり、求人票に「入社後の研修」や「担当業務を段階的に広げていく」と書かれていれば、そこが接点になります。

ここで大事なのは、求人票に書かれていることを言い写すだけにしないことです。「研修制度が充実しているから」だけだと、また受け取る側の理由に戻ってしまいます。「研修で基礎を身につけたうえで、◯◯の業務を任せてもらえるようになりたい」のように、自分がどう動くかまでつなげて書きます。

求人票のどこを読めばいいか迷うときは、求人票の見方の記事も参考にしてください。一般事務と営業事務のどちらに近い仕事かを読み分けるときは、一般事務と営業事務の違いにまとめています。

ホワイトボードのあるデスクまわり

材料3:入ってから何ができるか

最後に、自分が応募先で活かせるものを書き出します。ここで「自分には書けることがない」と感じる方は少なくないと思います。

私も、「自分にはスキルがない」と長く思っていました。職務経歴書を書くときにも「書くことがない」と感じましたが、振り返ってみると、やってきたことが言葉になっていなかっただけでした。

事務職で求められる力は、目に見えにくいものが多いです。次のような場面がなかったか、思い出してみてください。

  • 正確さ … 数字や名前を確かめてから渡した、ミスが起きないように自分なりの確認方法を作った
  • 段取り … 締め切りから逆算して作業の順番を決めた、頼まれごとが重なったときに優先順位をつけた
  • 調整 … 複数の人の予定や要望をまとめた、社内と社外のあいだに入って話を進めた
  • 気配り … 次に使う人が困らないように書類やデータを整えておいた、困っている人に先に声をかけた

接客や販売、営業など事務以外の仕事でも、こうした場面はたくさんあります。職種名ではなく、実際にやった作業を思い出すのがポイントです。

見つかったら、「どんな場面で」「何をして」「どうなったか」を一言ずつ添えておきます。数字で表せるものがあれば入れてもかまいませんが、無理に数字にしなくても、具体的な場面が書かれていれば伝わります。棚卸しのやり方は、職務経歴書の記事で詳しく書いています。

経験別の例文

3つの材料をつなげると、次のような文章になります。例文はそのまま使うより、自分の材料に置き換えるための型として使ってください。◯◯の部分には、ご自身の言葉を入れます。

接客・販売から事務職を目指す場合

店舗での販売の仕事では、在庫の数を確認して発注したり、売上の記録をつけたりする作業を担当していました。お客さまと接することにもやりがいはありましたが、準備や確認を積み重ねて売り場が問題なく回るように整える作業に、特に手ごたえを感じていました。この経験から、人の仕事を支える側で、正確さを活かして長く働きたいと考え、事務職を志望しています。
貴社の求人で、◯◯の受付や書類の管理を担当すると拝見し、店舗で身につけた確認の習慣と、お客さま対応の経験の両方を活かせると考えました。まずは基本の業務を確実に覚え、周りの方が本来の仕事に集中できるよう支えていきたいです。

事務の経験があり、別の会社で事務を続けたい場合

前職では一般事務として、請求書の作成やデータ入力、電話の取り次ぎを担当してきました。担当する作業が増えたときに、自分で確認の手順をまとめて、引き継ぎのときにも使えるようにしたことがあります。
これからは◯◯の業務にも関わり、事務の仕事の幅を広げていきたいと考えています。貴社では◯◯の業務を事務担当が担っていると拝見し、これまでの経験を土台にしながら、新しい業務にも取り組める環境だと感じて志望しました。

営業職から営業事務を目指す場合

営業として働くなかで、見積書の作成や納期の確認など、お客さまとの取引を形にする作業を自分でも行ってきました。その作業を丁寧に進めることで取引がとどこおりなく進んだときに、いちばんやりがいを感じていたことに気づき、営業担当を支える立場で力を発揮したいと考えるようになりました。
貴社は◯◯を扱っており、営業担当と組んで受発注や納期の調整を行うと拝見しました。営業の立場を経験しているからこそ、営業担当が何を急いでいて、お客さまが何を気にしているのかを想像しながら動けると考えています。

どの例文にも「安定」という言葉は出てきませんが、長く落ち着いて働きたいという気持ちは、ちゃんと文章の中に残っています。言葉を変えただけで、本音を隠したわけではありません。

例文の言い回しより、「自分がやった作業」を入れるほうがずっと大事です。

書き終えたら見直したいこと

一通り書けたら、次の点を確かめてみてください。

  1. 社名を別の会社に入れ替えても通じてしまわないか … 通じてしまうなら、材料2をもう一度求人票から探します
  2. 「〜してもらえる」「〜が整っている」ばかりになっていないか … 受け取るものだけでなく、自分がどう動くかが入っているかを見ます
  3. 前の職場への不満が中心になっていないか … 向かいたい理由が主語になっているかを確かめます
  4. 面接で「もう少し詳しく教えてください」と聞かれても話せるか … 書いた場面を、自分の言葉で説明できるかどうかです

4つ目は特に大切です。志望動機は、書類に書いたあと面接でも聞かれることが多いので、書類の文章を丸暗記するより、材料の3つを自分の言葉で話せるようにしておくほうが、質問が少し変わっても落ち着いて答えられます。

もう一つ、自分で書いた文章は、自分ではよく分からなくなってくるものです。家族や友人、転職の相談先など、誰かに一度読んでもらうと、「ここは伝わる」「ここはどういう意味?」という反応がもらえます。

志望動機に、ひとつの正解はありません。この記事の組み立て方は、あくまで書きやすくするための一つの考え方です。まずは3つの材料を一言ずつ書き出すところから始めて、応募先ごとに材料2を入れ替えていけば、少しずつ自分の言葉になっていきます。

一人で書いた書類を誰かに見てもらいたいときは、転職エージェントに相談するのもひとつの方法です。私は転職活動で複数のエージェントを並行して使っていて、そのうちの1つがアデコでした。担当の方は親身に話を聞いてくれて、プッシュされなかったので気持ちが楽でした。書類も見てもらいました。私はアデコ経由では決まらず、並行して自分で受けていた会社に決めましたが、事務の求人をたくさん持っている印象でした。

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さぶこ

この記事を書いた人|さぶこ

新卒2ヶ月で退職 → 外資系商社の営業事務 → メーカーで商品企画を約10年。転職を何度も重ね、副業も6つ試して失敗しました。いまは在宅で働いています。「スキルがない」と思っていた頃の自分に渡したいことを書いています。

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