
みなし残業とは。求人票で見落としたくない書き方と読み方
求人票を見ていると、給与の欄に「みなし残業」「固定残業代」という言葉が出てくることがあります。月給は良さそうに見えるけれど、これは残業が多いという意味なのか、それとも普通のことなのか。判断がつかずに、応募をためらっている方もいると思います。
みなし残業そのものは、珍しい制度ではありません。ただ、書き方を読み違えると、入社してから「思っていた条件と違った」となりやすいところでもあります。
この記事では、みなし残業の一般的な仕組みと、求人票のどこを見ればいいかを整理します。
- みなし残業とは、どういう仕組み?
- みなし残業がある求人は、避けたほうがいい?
- 求人票で確認したい3つの項目
- 書き方の例ごとの読み方
- 月給の比べ方は?
- 面接やエージェントで確認するときの聞き方
- よくある質問
みなし残業とは、どういう仕組み?
求人票でいう「みなし残業」は、多くの場合「固定残業代」のことを指しています。
一般的には、あらかじめ決めた時間分の残業代を、毎月の給与に固定で含めて支払う仕組みです。たとえば「月20時間分の固定残業代を含む」と書かれていれば、20時間分の残業代が、実際の残業が少ない月でも給与に含まれて支払われます。
大事なのは次の2点です。
- 決めた時間を超えて残業した分は、一般的には別に支払われるものとされています
- 「残業代は出ない」という意味ではありません
なお、法律上の細かい扱いは働き方や会社の制度によって変わることがあります。ここでは一般的な考え方として読んでください。入社後に気になることがあれば、会社の就業規則や雇用契約書を確認するのが確実です。
「みなし残業=残業し放題」ではありません。まずは何時間分が含まれているかを見ます。
みなし残業がある求人は、避けたほうがいい?
一概には言えません。みなし残業があること自体よりも、書き方がはっきりしているかどうかのほうが大事です。
みなし残業には、働く側にとってもよい面があります。
- 残業が少ない月でも、決まった額が支払われる
- 毎月の給与の見通しが立ちやすい
一方で、気をつけたいところもあります。
- 含まれている時間が長いと、それだけ残業がある前提の職場かもしれない
- 固定残業代を含めた額が月給として書かれていると、基本給が低く見えにくい
- 超えた分の扱いが書かれていないと、入社後に確認が必要になる
私は新卒で入った会社で、毎日終電まで働いていました。残業の多さは、入社してみないと実感しにくいところです。求人票の段階で読み取れることは、先に読み取っておくほうがいいと思います。
求人票で確認したい3つの項目
みなし残業がある求人では、次の3つが書かれているかを見てください。
| 確認する項目 | 書かれ方の例 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 1. 何時間分か | 固定残業代(月20時間分) | 時間数がはっきり書かれているか |
| 2. いくらか | 固定残業代 ○万円を含む | 金額が分けて書かれているか |
| 3. 超えた分の扱い | 超過分は別途支給 | 超えた時間の残業代について書かれているか |
| (あわせて)基本給 | 基本給 ○万円 | 固定残業代を除いた額が分かるか |
一般的には、固定残業代を示すときは時間数と金額、超えた分の扱いを明らかにすることが求められていると言われます。この3つがそろっている求人は、条件を読み取りやすい求人だと考えていいと思います。書かれていない項目があれば、応募前や面接で確認しましょう。
書き方の例ごとの読み方
求人票でよく見かける書き方を、読み方と一緒に並べました。
例1:時間数・金額・超えた分の扱いがすべて書かれている
「月給22万円(固定残業代 月20時間分○万円を含む。超過分は別途支給)」
読み方:3つの項目がそろっています。月給から固定残業代を引いた額が基本給になります。あとは、実際の残業が何時間くらいかを面接で確認すると安心です。
例2:時間数は書かれているが、金額がない
「月給22万円(月20時間分の固定残業代を含む)」
読み方:基本給がいくらなのかが分かりません。同じ月給の求人と比べるときに、差が見えにくくなります。金額を確認したい項目です。
例3:「みなし残業あり」とだけ書かれている
「月給22万円〜(みなし残業代含む)」
読み方:時間数も金額も分からない書き方です。応募する前に、エージェントや採用担当者に確認したほうがいい求人です。
例4:含まれている時間が長い
「固定残業代 月45時間分を含む」
読み方:書き方ははっきりしていますが、それだけの残業が見込まれている職場かもしれません。実際の平均的な残業時間と、忙しい時期を聞いておきたいところです。
例1以外は、悪い求人と決めつける必要はありません。分からないところを質問にして確かめればいいだけです。
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月給の比べ方は?
みなし残業がある求人と、ない求人を比べるときは、月給の額ではなく基本給で比べると分かりやすくなります。
- それぞれの求人の基本給を書き出す … 固定残業代や手当を除いた額です
- 固定残業代の時間数を書き出す … ない求人は「なし」
- 手当と賞与を書き出す … 住宅手当、通勤手当、賞与の有無
- 実際の残業時間の見込みを聞いて足す … 面接やエージェント経由で確認します
月給だけで見ると高い求人が、基本給で見ると同じくらいだった、ということはよくあります。賞与や退職金の計算に基本給が使われる会社もあるので、基本給はできるだけ確認しておきたい数字です。
求人票のほかの項目の見方は、求人票の見方。応募する前に、私が必ず確認している5つのことにまとめています。
面接やエージェントで確認するときの聞き方
お金や残業のことは聞きにくいと感じる方も多いと思います。聞き方を少し工夫すると、自然に確認できます。
- 「求人票に固定残業代とありましたが、実際の残業は月にどのくらいの方が多いですか」
- 「忙しい時期はいつ頃で、その時期の残業はどのくらいになりますか」
- 「固定残業代の時間を超えた場合の扱いを確認させていただけますか」
面接の最後の質問の時間を使うのも一つの方法です。聞き方は事務職の面接でよく聞かれる質問と、答えの組み立て方も参考にしてください。
エージェントを使っている場合は、担当者に代わりに聞いてもらうこともできます。私も転職活動では複数のエージェントを並行して使っていました。自分では直接聞きにくいことを確認してもらえるのも、エージェントを使う利点の一つと言われています。
内定が出たら、労働条件が書かれた書面を必ず確認しましょう。固定残業代の時間数と金額、超えた分の扱いが、求人票や面接で聞いた内容と合っているかを見ます。食い違っていたら、入社前に確認しておくと安心です。
気になる求人があったら、まず「何時間分・いくら・超えた分」の3つに印をつけてみてください。
よくある質問
みなし残業と固定残業代は同じですか?
求人票では、ほぼ同じ意味で使われていることが多いです。どちらの言葉でも、何時間分がいくら含まれているかを確認してください。
みなし残業の時間より残業が少なかったら、給与は減りますか?
一般的には、固定残業代は残業が少ない月でも決まった額が支払われる仕組みです。会社の制度によって違うこともあるので、雇用契約書や就業規則で確認してください。
みなし残業の時間を超えたら、残業代は出ますか?
一般的には、超えた分は別に支払われるものとされています。求人票に「超過分は別途支給」と書かれているかを確認し、書かれていなければ面接で聞いておくと安心です。
事務職の求人にも、みなし残業はありますか?
あります。事務職だから残業が少ないとは限らないので、ほかの職種と同じように時間数と金額を確認してください。
面接で残業のことを聞くと、印象が悪くなりませんか?
聞き方次第です。「忙しい時期はいつ頃ですか」のように仕事の流れとして聞くと、自然に確認できます。
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